最近の研究テーマの例
(1) Society 5.0における新技術・新生活環境のための人間中心デザイン
多様な生活者誰もがSociety 5.0の恩恵を享受し,一人も取り残されない真に人間中心な社会を実現するには,Society 5.0の新たな生活環境と生活者との適合性を人間工学的・認知工学的に検討し,新時代の人間中心デザインを実現する必要があります.本研究では,特に交通・住・オフィス環境を対象に,新技術・新たな生活環境と生活者との適合性の観点から新時代の生活空間・生活機器のための人間中心デザインの要件を明らかにすることを目指します.例えば,誰もが受容・利用しやすい自動運転システム,機器間のつながりがブラックボックス化された分散型システムを直感的に理解・操作できるIoT機器操作のためのVUI・スマホアプリ,ストレスフリーなリモートワーク環境などについてのデザイン要件を調査・実験に基づいて検討します.
主要な論文
(2) 製品・サービスの利用体験におけるユーザの満足度評価の仕組みの理解およびUXデザインへの応用
製品・サービスを通して生活者に提供する体験価値にフォーカスをあてたユーザ体験(UX)デザインは近年重要視されていますが,そのための具体的な手段(UX設計・評価技術など)の整備は十分でなく,またそれについての学術的な知見は豊富にあるとは言えません.生活者が製品やサービスの一連の利用を通して得る体験をどのように評価しているのか,またその満足度に影響を及ぼす要因は何か,を明らかにし,科学的根拠のあるUX設計・評価技術を構築する必要があると考えています.本研究では,UX設計・評価技術構築の端緒となりうるユーザの満足度評価メカニズムを多角的に分析し,またその知見のUXデザイン手法への応用を検討します.
主要な論文
(3) 多様化するオフィス環境における人間工学的要件の検討
ABW,在宅勤務,ワーケーションといった働き方やオフィスの多様化が進んでおり,旧来の人間工学的知見だけではカバーできないことが出てきました.こうした現代の状況に即して,人間工学観点から快適かつ負担の少ない家具の設計要件や利用ガイドラインを検討します.
主要な論文
本研究室の研究テーマ
認知・UIデザイン系(Cognitive Ergonomics)
ユーザの認知情報処理特性に基づく,わかりやすい・見やすいUIデザインの原則を明らかにします.画面を対象とした研究成果が多いですが,必ずしもGUIにこだわるわけではありません.
身体・生理・行動系(Physical Ergonomics)
生体計測などによる身体負担評価,実験によるパフォーマンス評価などから人の特性に合ったデザインを検討します.
応用系(Applied Ergonomics / Human Centered Design)
具体的な製品・空間等を対象とした人間中心デザインの実践に取り組みます.
人間中心デザインの方法論(Methodology of Human Centered Design)
人間中心デザインを実践するための効果的なデザインプロセスや調査・設計・評価手法の提案を行います.
安全マネジメント系(Organizational Ergonomics / Safety Management)
認知バイアスと不安全行動・違反行動の関係性からみた安全について検討します.
2021年度以前のプロジェクト
これまで土井が主体的に関わってきたプロジェクトを以下のリンク先にまとめてあります.